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世界の病院で導入進む 抗菌のシート型ゴム系断熱材

ゴム系断熱材で世界トップシェアを誇る「アーマフレックス」は、欧米の病院や製薬工場において、ダクト、配管の断熱材として導入が進んでいる。特にカビやバクテリアの増殖を抑制する抗菌保護材「Microban(マイクロバン)」内蔵の「Class0」シートタイプの導入が進む。室内空気質(IAQ)の観点から、繊維系断熱材が使用不可(ファイバーフリー)とされるケースも多く、また抗菌仕様は院内感染防止の観点からも評価が高い。ファイバーフリー、抗菌がスペックの建物では、ほぼアーマフレックスの独壇場という。近年では、インドの病院や製薬工場、ホテルで、急速に導入が進む。

海外でファイバーフリーが浸透しているのは、腐食事例が数多く報告されているため。繊維系断熱材のごく小さな穴から水が浸食し、外観からは確認できなくても、配管に近い内部で腐食が進行していたケースは多い。その点、アーマフレックスは、窒素を密閉した細かなクローズドセル構造により、高い水蒸気耐性、耐結露性を有しており、細かい穴からの浸水も防ぐことができる。この耐水性が、世界で信頼されている理由の一つだ。

アーマフレックスの製造元は、ルクセンブルクに本社を置くArmacell社。その日本法人であるArmacell Japan(社長=安村義彦氏、本社・東京都中央区)でも、病院、薬科大、製薬工場などで「Class0」シートタイプの導入を進めている。昨年暮れには某大規模医療センターで、ダクト内貼りによる採用があった。ダクト内貼りは、あらかじめ工場でダクト内にシートを施工しておき、現場ではダクトの吊り込み作業のみで済むもの。日本では製品特性に加え「短工期に貢献できることが評価されている」(安村義彦社長)。

 なお同社は今月、吸音材「アーマフォニック」シリーズの日本向け製品であるゴム製遮音シート「バリアJ57」を上市する。海外展開のシートタイプから性能を高め、国内製造とすることで輸送費を抑えた。海外では、病院等の水廻りの遮音で多くの実績がある。断熱材の上にシートを巻く「両巻き」にも対応している。

 

空調タイムス  20171115日発行 掲載記事